【7sPro】分離型キーボードを完全無線化してみた
以前組んだ7sProを完全無線化しました。
続きを読む7sPro完全ワイヤレス化成功! pic.twitter.com/fKXItjkTNF
— jarara (@jaaarara) 2021年4月10日
【7sPro】初めての自作キーボード(分離HHKB型) ビルドログを添えて
自作キーボードに手を出しました。
選んだのは7sProです。
7sProshop.yushakobo.jp
初自作キーボード完成!とても楽しい&可愛い
— jarara (@jaaarara) 2021年3月20日
・7sPro
・ENJOYPBT ABS DOUBLESHOT
・Kailh Box Black pic.twitter.com/03wIsu1WQD
製作者様のブログに詳細なビルドガイドが記載されています。
salicylic-acid3.hatenablog.com
本記事に私のビルドログを載せていますが、飽くまで主観に基づくものであり正当性は保証しません。初心者が組み立てる際にどう感じるか、という意味の参考情報としてご覧いただき、あわよくばこれから組み立てる方の情報収集の助けとなれば幸いです。
■ キーボード選定
自作キーボードを作ろうと思い立ったはいいものの、どんなものを組み立てようか非常に悩みました。分離型にするか一体型にするか、たまに見る格子配列か否か、HHKB系か普通の60%かはたまたエルゴノミクス系かなどなど。
初めてだし、どうせなら市販のキーボードになさそうなやつがいい、けどエルゴノミクス系は移行のハードルが高すぎて心が折れそう、というところで以下の選定基準で選びました。
・左右分離型
∵仕事で一日中使う機材であるため、身体的な健康面を意識
・ HHKB準拠
∵これまでJIS配列しかつかってこなかったので、エンジニアのはしくれとして経験しておこうと
・ キースイッチのホットスワップ対応
∵実装の難易度もさることながら、スイッチの知識も浅めなので今後も勉強しやすいように。ルブ前後の比較とかしてみたいですよね
・ビルドガイドや実装事例が充実していること
∵初心者故先人の情報は何よりも大事
結果、上記を満たす7sProを選びました。なんと頑張れば無線化もできちゃうらしい!(いつかやりたい)
■ キーキャップ選定
自作キーボードの魅力の一つであろう、キーキャップの自由度。
調べてみるといろんなサイトで買えるんですね。加えてグループバイ(キーキャップに限った話ではないですが)とか、奥が深い。有名な取り寄せ先はは↓とかなのでしょうか。
・遊舎工房
https://shop.yushakobo.jp/
・KBDfans
https://kbdfans.com/
その他Amazonやアリエクなど多数ありすぎてワクワクしますね。
今回はとりあえず早く組んでみたい!という思いから国内&即納される、且つできるだけ洒落てて可愛いやつ!という条件で遊舎工房様の通販で在庫があるものから選びました。
ENJOYPBT ABS DOUBLESHOT KEYCAPS SET Orange Sherbet
https://shop.yushakobo.jp/products/enjoypbt-abs-doubleshot-keycaps-set/
他の色で実装されている方がいらっしゃったのでイメージがつきやすかったです。
ぱっと見オレンジで組まれてる方はまだいなさそう、というのとデスク上のカラーレイアウトとしてグリーン系かオレンジ系にしたいなという思いから選びました。
■ キースイッチ選定
本当は実際に触ってみて選定したかったのですが、はやる気持ちが抑えられずこちらも遊舎工房様で通販しました。とはいえ、ネットで収集できる情報には(ある程度)目を通した上での選定です。リニアが好きで赤軸か黒軸でというのは決めており、その中で評判が安定していて癖のなさそうなものを選びました。
Kailh Box Black
https://shop.yushakobo.jp/products/kailh-box
■ その他素材やツール等の準備
電子工作経験は高校時代に数えるほど(授業+ギター用のシールド/パッチケーブル作成+弐寺のコントローラー作成)で約10年ぶり、かつ工具類も実家にあったため、心機一転買いそろえました。
揃えたのはこれら(順不同)です。
カテゴリ | 製品名など | 説明 |
---|---|---|
はんだゴテ | 白光 ダイヤル式温度制御はんだこて FX600 | 温度調節できるやつ。ヘアアイロンを彷彿とさせる。 |
こて先 | 白光 こて先 2C型 T18-C2 | 先っちょが平らになってて熱が伝わりやすいやつ(用途による)。 |
はんだ | goot 精密プリント基板用 鉛入りはんだ | 言わずもがな。 |
はんだ吸い取り線 | goot はんだ吸取り線 CP-3015 | はんだ実装部に押し付けながらこてをあてると吸い取れるすごいやつ。一回助けられました。 |
こて台 | 白光 こて台 633-01 | やっすいこて台でいいかと思ったらFX600に合わないらしく純正をチョイス。かさばる。 |
フラックス | HOZAN フラックス H-722 | お願いフラックス。 |
エポキシ系接着剤 | セメダイン CA-186 | ProMicroのUSBジャックを固定するために使用。たしかに必須。 |
マイクロアプリケーター | LASHVIEW マイクロアプリケーター | まつエクとかに使えるやつ。ルブに使用。 |
TRRSケーブル | Zeskit 4極3.5mmステレオオーディオケーブル 1.2mオス-オス | ナイロンで覆われてて固めのケーブル。 |
潤滑剤 | Krytox GPL 205 Grade 0 | スタビライザーとキースイッチ(予定)のルブに使用。リニアはこのデロデロタイプがいいらしいです。 |
ヤスリ | ダイソー ヤスリ | プレートのバリ取りに使用。 |
カッターマット | ダイソー カッターマット B5 | 一家に一台カッターマット。まな板もこれでいいんじゃないかと思ってる。 |
サージカルテープ | ダイソー サージカルテープ 紙 12mm | スタビライザーを使用するキーの打鍵感向上用。 |
※精密ドライバー、ニッパー、ペンチ、ハサミ、ピンセット、USBケーブルは所持していたので割愛。
ルブステーションはアリエクで注文して納品待ちです(国内に全然売ってないんですね)。
キースイッチをルブせずにそこそこ使い込んでみて、違いを味わいたいと思います。
■ ビルドログ
実際に組んでいきます。
- キットの中身を確認
仕様通りそろっていました。
- ProMicroのUSBジャックの補強
対象:左手側右手側それぞれ
デフォルトの耐久度が著しく低いらしく、USBを抜き差ししてると基板からジャックがスッポンしてしまうそうです。確かに見るからに脆そう。接着剤を混ぜ混ぜした後、つまようじで適量乗っけます。
こんなん余裕やろ、と油断してると左右の穴まで接着剤の手が伸びてとんでもないことになります(なりかけました)。横着せずにちょっとずつ載せた方が安全です。
一応5分で固まる(公称)タイプの接着剤でしたが、なんとなく寒かったので一日寝かせました。
- プレートの分離とバリ取りと側面塗装
対象:共通
各種プレートの接合部をニッパーなりなんなりで切り離します。
結構間が狭いので、細目のニッパーとかでないと上手く切り取れません(写真のニッパーでギリ)。
PCB(基板実装プレート)以外も同様。
こんな感じでバリが残るのでヤスリでいい感じに削って処理します。
バリ取り後、各種プレートの側面を油性黒マジックで塗り塗りします(これは好みかなと)。
- LEDの取り付け
対象:左手側
多分アクリルモデルとかでないと恩恵を受けられなさそうな左下のLEDを実装します。
左下の裏側のに取り付けます。LEDから4つ出てる端子のうち、欠けてるやつがPCBのGNDに該当します。
(余談:当初は光ってたのですが、全体を組み上げたあとに何故か光らなくなってしまいました。うまくはんだが乗ってなかったのでしょうか。光っても見えないので気が向いたら分解してやり直します。)
- Pro Microの取り付け
対象:左手側右手側それぞれ
PCBへPro Microを取り付けます。
コンスルー(スプリングピンヘッダ)で繋げます。名前の通り微妙にバネのような伸縮性が効いていて(糸通しみたいな)、差し込むだけでそれっぽくハマるようになってます。
耐久性がイマイチなPro Microを換装しやすくするために採用されたみたいで、PCB側ははんだづけなし、Pro Micro側ははんだづけします。というのもPCB側は純粋にコンスルーに対応していて、Pro Micro側は条件づきで対応している(はんだづけすれば回路が成立する)という事情みたいです。
コンスルーは微妙にピンの長さが上下(?)異なっています。赤字の金ポチがある微かに短い方がPro Micro側となります。
また、向きも合わせる必要があります(最初見落としていて焦った)。
- TRRSケーブルジャックとリセットスイッチの取り付け
対象:左手側右手側それぞれ
左右を繋げるTRRSケーブルジャックと、キーボードリセット(ファームウェアのかな?)スイッチを取り付けます。
TRRSケーブルジャックは向きがありますが左右で本数が異なるため、PCBと合うように差し込めば問題なし。リセットスイッチは向きがない(よね?)ので気の赴くままに差し込んではんだづけします。
そのままだと若干飛び出るのではんだづけ前にニッパーで切り落とします。
(念のためマスキングテープで押し付けて固定してから作業をしています)
- Pro Microへのファームウェア書き込み
対象:左手側右手側それぞれ
Pro Microへキーボードのファームウェアを書き込みます。
色々な手段があるみたいで、せっかくWSL2を導入したという直近の実績もあることからDockerでコンパイル環境諸々構築しようかと思いました。が、調べてくうちに何のためにやるんだこれ?が多すぎたため、まずは何をしたいのかという目的を理解するためにツール化されたものを使用しました(先人の方々へ多大な感謝を)。
ツールの利用手順はバージョンによって異なる可能性があるため、本記事では割愛します。
・7sPrpのファームウェアの用意:製作者様配布のコンパイル済みのものを入手
・ファームウェア書込み:QMK Toolboxを使用(相性なのか、Pro Micro Web Updaterでは上手く認識してくれませんでした)
・テスト兼キーマップ書き換え:VIAを使用
github.com
github.com
ファームウェア書き込みは左右それぞれ、TRRSケーブルを繋げずに行います。
- PCBへの各実装のテスト
対象:共通
この段階ではエディタなりキー入力が確認できれば問題ないと思いますが、私はVIAのテストモードを使用しました。
TRRSケーブルで左右を繋げてから、 USBでPCに接続します。
(PCに接続している状態でTRRSケーブルを抜き差しするのはNGらしいので注意)
テスト内容は以下の通り。
①. PCにキーボードとして認識されること
②. 左右のキー入力が認識されること(ピンセットでキースイッチを代用)
③. LEDが点灯すること
④. USB接続を左右どちらで行っても①②が正常に動作すること
◇NG Take
左手側にUSB接続したら認識されるけど、右手側のキー入力が認識されない&LEDが点灯しない
→右手側に接続するとキーボードとして認識されない
→ファームウェアを書き込みなおしても解決しない
→TRRSケーブルが奥まで刺さってないという初歩すぎる原因に気づいて安堵しつつなんともいえぬ羞恥に苛まれる
◇OK Take
- スタビライザーのルブと取り付け
スタビライザー(長いキーの入力感を均一にしてくれれる補助輪みたいなやつ)を処理します。
一発目でルブするかは迷ったのですが、しなかった人が十中八九後悔しているように見えたのでルブすることにしました。
使用道具はマイクロアプリケーターと潤滑剤とサージカルテープと己の指。
分解してカチャカチャしそうなところに潤滑剤を塗っていきます。
スタビライザーのルブは結構潤滑剤盛り盛りでよいらしいです。それだけデフォルトだとカチャカチャ煩わしいんですかね。
PCB上のスタビライザーがハマるところにサージカルテープを適当な長さで貼り付けます。
スタビライザーの足部分の穴と穴の間がちょうど12mm幅で、〇イソーのテープと思わぬマリアージュ。
3個を取り付けてみた図。
- トッププレート&キースイッチ取り付け
トッププレート(穴がたくさん空いてるやつ)とPCBをフュージョンさせる前に、スペーサーを取り付けます。
事前にトッププレートの四隅にキーキャップを取り付けます。取り付ける際、均等にPCBとのスペースが保たれるのでおすすめです。
PCBにキースイッチがどうハマるかの感触を掴みます。いきなりトッププレートと取り付けると、どこまで差し込めばいいのかがわからなかったので、確認しました。
トッププレートをPCBに取り付けます。足がソケットに合うよう慎重に、かつそこそこ力を入れる必要があるので大胆に。
残りのキーを取り付けます。地味に硬いです。最初時間がかかったのですが、垂直に真ん中からしっかり押していくとスムーズにいきました。
再度TRRSケーブルで左右を繋げてから、 USBでPCに接続して各キースイッチからの入力が認識されるかをテストします。
テスト内容はすべてのキー入力が認識されること。
結果:3とCが認識しない。。。
といっても、ProMicroとPCB間の実装に問題ないことは前工程で確認できているため、想定される原因はスイッチの足がPCBのソケットに上手くハマっていないことです。トラブルシューティングは簡単(慢心)。
該当箇所のスイッチを取り外してみると見事に足がひん曲がっていました。
ペンチで足を真っ直ぐ戻してあげて、再度取り付けたところ無事に全キー認識されました。
- ボトムプレートの取り付け
対象:左手側右手側それぞれ
PCBの裏につくことになるボトムプレートを取り付けていきます。
取り付け順序としては以下の通りです。必ず。
①ボトムプレートにスペーサー(蓋との間となる4mm+オスメス)を取り付ける
②ボトムプレートを本体(この時点でPCB+トッププレート)に取り付ける
③ボトムプレートの蓋を取り付ける
私は何を誤ったか①→③→②の順番で取り付けてしまいました。
結果、オスメスのスペーサーが回せなくなってしまい、本体とボトムプレートがくっつかなくなる事態に。
②からやり直します。
- ゴム足の取り付け
対象:左手側右手側それぞれ
平べったい円形のゴム足4つが付属しています。大体四隅にがたつかないようバランス良く取り付けます。
- キーキャップの取り付け
対象:左手側右手側それぞれ
ここまでくれば後はウィニングランです!(穴冥の低速地帯抜けた感覚)
基本的な数字や英字項目はいいのですが、一番下のラインにどのキーが嵌まるかデザインとの兼ね合いがパズルみたいで楽しかったです。
- 完成図
できました!!
デスク全体としてもなかなかいい感じのバランスです。
ケーブル類はもうちょい工夫したいですね(TRRSケーブルのコイル化など)。
余ったキーキャップはダ〇ソーのプラボトルへ。
キーレイアウトは暫定で以下のようにしています。
まだ使い始めて1週間も経っていないため、使い込んでから再度アップできればいいなと思います。
特徴を、ざっくり挙げると以下の通りです。
・左手alt+tabを多用するのでLAltを手前に
・仕事でExcelをよく使うので、アローキーは組み合わせて使うキーに応じてレイヤー1とレイヤー2で2通りに設置
・IMEのONOFFは左手のCtrl+Spaceでやってます(変換時のSpaceは右手側ですが、IMEのONOFFのために左手側にも設置)
■ 使用感
最高です!打鍵していて心地よすぎる。。。Kailh Box Blackいいですね。キーキャップも手触りよくて気持ちいです。
ルブなしでこれなんだから、ルブしたらどうなってしまうのかが楽しみで怖いです。
分離型でもとっつきやすいのでHHKB型にして正解でした。すごく使いやすいですね。JIS配列しか使ってなかった身ですが、3日くらい使い込んでいたらだいぶ慣れてきました。
色身はマットなブラック、かつ中途半端な余白がないという洗練されたデザイン面、組み立てやすさ、情報豊富なビルドガイドなどなど、初めての自作キーボードを7sProにして本当に良かったです。
キースイッチを変えてみたり、無線化してみたりの楽しみも残っているのはとても滾りますね。
あと、使いながらここにこのキーあったらいいな、と思ってすぐ試せるのとっても楽しいです。
もっといろんなキーボードが組みたくなってきました。。。
本記事は7sProで書きました。
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Xiaomiのモニターライトを購入しました。
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https://www.mi.com/a/h/15729.html
Windows 10 HomeでDocker Desktopを入れてみた
- 概要
- 実行環境
- インストール
- 動作確認
概要
随分前から話題のDockerですが、不幸なことにお仕事ではあまり触れる機会がありません。
趣味兼勉強用環境として、ちょっと手を出してみようと思います。